ケシの実のロールケーキ・Makowiec(マコヴィェツ )。
クリスマスの定番菓子であるが、ポーランドでは1年中食べられているポピュラーなお菓子だ。
オーソドックスなMakowiecの生地は、ちょっとぼそぼそした感じのものが多いのだが、私のレシピはバター多めでしっとり感のある仕上がりにしている。かなり柔らかめの生地なので、こねる時に手につきやすい。こね機能のあるフードプロセッサーがあると便利だ。
ポーランドではちょっと大きめのスーパーなら、ほぼどこでも缶詰のMakowiecのフィリング(Masa Makowa)を売っているので、これを使えば簡単に作れる。
しかし、日本ではそうはいかないので、ケシの実のフィリングを作るところから始めなければならない。
この作業がちょっと大変なので、アレンジを加えたバージョンも紹介する。
A:けしの実の下処理
<材料>
ブルーポピーシード 1袋(約220g)
水で薄めた牛乳(水と牛乳を半々くらい)
①鍋にブルーポピーシードと牛乳か水(ポピーシードがしっかりかぶるくらいの量)を入れ弱火で30分程度煮る。焦げ付かないように、水分が足りない場合は随時補給する。火を止めて、そのまま4,5時間以上置く
② ①をガーゼなどにあけしっかり水分を切る。
③ ②をフードプロセッサーにかけるか、すり鉢ですりつぶす
*この状態では冷凍可能なので、時間のある時に作っておくとよい。
Makowiecのフィリング
<材料>
A(下処理をしたポピーシード)
卵白 2個
バター 15g
ハチミツ 大さじ2~3
砂糖 大さじ2
レーズン 50g
ナッツ(アーモンド、クルミ、ヘーゼルナッツなど)30g
バニラオイル 少々(好みで)
<準備>レーズンは熱湯をかけてふやかした後、水分を切りラム酒をまぶしておく。使う前にナッツとともに粗く刻む
①卵白は砂糖を加えてかたく泡立てる。
② ①にA(下処理をしたポピーシード)、溶かしたバター、ハチミツ、レーズン、ナッツ、バニラオイルを加えて混ぜ合わせる
Makowiecの生地
(2本分)
<材料>
小麦粉 200g
バター 50g
砂糖 40g
生イースト 15g
卵黄 1個
ミルク 70cc
塩 少々
バニラオイル 少々
<準備>
牛乳は40程度にあたためておく
生イーストに上記の材料の中から小麦粉大さじ1、砂糖大さじ1、あたためた牛乳大さじ2~3を加えて混ぜ、3~4倍くらいに膨らむまで予備発酵させる
*生イーストの代わりにインスタント・ドライイースト5gを使うことも可能。その場合、予備発酵は必要なく、そのまま小麦粉に混ぜる。インスタント・ドライイーストは糖度が高い生地には不向きなもの(サフの赤ラベルなど)があるので注意
①小麦粉に砂糖、卵黄、予備発酵させたイースト、牛乳、塩、バニラオイルを加えてよくこねる(5分くらい)
②溶かしたバターを①に加えてさらによくこねる(バターと生地を完全になじませる)。乾燥しないようにラップをかけて2倍くらいに膨らむまで発酵させる(室温にもよるが1~1.5時間くらい)
③ ②を二等分し、台に打ち粉をして発酵した生地を伸ばし(厚さ5ミリ程度)、Makowiecのフィリングをのせる
④左右の端は内側に巻き込みつつ、手前からくるくると巻いていく。巻いた生地をさらにクッキングシートで巻いて形を整える
⑤170~180度のオーブンで約30分焼く。
焼きあがったら、クッキングシートに巻いたまま網台などに置いて冷ます。
⑥冷めたらアイシング、ナッツなどでデコレーションする。
和テイストのMakowiec
Makowiecのフィリングを作るのはなかなか大変だ。そもそも日本ではブルーポピーシードを売っている店が少ない。もっと手軽にフィリングが作れないかと考案したのがこちらのレシピ。
緑茶を加えたアイシングでデコレーションしてみた。ポピーシード(Mak)を使っていないから、Makowiecとは言えないかもしれないが、見た目は普通のMakowiecとあまり変わらない。
TYPE1:ゴマペーストを使ったタイプ
<材料>
市販の胡麻クリーム(パンなどに塗るタイプのもの) 大さじ2
アーモンドプードル 大さじ1
アーモンドダイス 小さじ1/2~1
シナモン 小さじ1/2~1くらい
ハチミツ(好みで) 小さじ1
レーズン 大さじ1/2
上記の材料をすべて混ぜ合わせ、ブルーポピーシードで作ったフィリングの代わりにするだけ。巻き方などの要領は同じ。
TYPE2: あんこを使ったタイプ
市販のあんこをフィリングにすればより簡単!
写真のものは生地にポピーシードを練りこんでいるので、かろうじてMakowiecと名乗れる!?
巻き方などの要領は他のバージョンと同じ。