ポーランドの”国民的スウィーツ”といえる Pączki(ポンチュキ)。
ポーランドでは毎年、「Tłusty czwartek (トゥウスティ チュファルテク/ 脂の木曜日)にこのポンチュキをガッツリ食べるという習慣がある。
どういうことか平たく言うと、キリスト教の習慣で断食期に入る前の最後の木曜日にポンチュキを食べ溜めしようということである。
日にちは毎年変わるが、2020年は2月20日だった。
過去5年はポンチュキイベントを開催するため、自分で大量にポンチュキを作っていた。
2017年にはイベントのために一人で150個も作ったのだが、その話をするとポーランド人にはすごくウケる。
2019年は初めてワルシャワでポンチュキイベントを開催した。
ポーランドでなら自作する必要はない、と思っていたのだが、なんだかんだで60個以上作ることになってしまった。
過去に自作したポンチュキたち ↑ アイキャッチ画像に使ったのは今年作ったもの
2020年は1月に日本に行ったこともあり、十分に準備する時間がなかったためイベント開催は断念した。 今、Japonka w PolsceのFacebookページでイベントを告知すると、1.5K以上のレスポンスが予測されるので、中途半端なイベントはやりづらいというのもあった。
ところで、ポーランドでは
「 Tłusty czwartek にポンチュキを1個も食べないと不幸になる」
と言われているそうだ。
。。。なぜそんなネガティブな言い回しをする??
どうせなら
「Tłusty czwartek にポンチュキ を食べるとHappyになる」
とか言った方が気分よくない?
と思いつつ、不幸になりたくないのでポンチュキを買いに出かけてみた。
Górczewska( Wola)やChmielnaに有名店があるが、これらの店は普段から人が並んでおり、 Tłusty czwartekともなれば長蛇の列ができることは必至。3時間待ちとか言われている。
しかし、専門店は毎日ポンチュキを売っているわけで、わざわざこんな混んでいる日に行かなくてもよいのでは? Chmielnaの店のポンチュキは先週も食べたし。
ということで目指したのは、Hala Mirowskaにあるお気に入りのパン屋「Holi Bread」。
ここのJagodzianka(ビルベリー入りのジャムパン)は絶品なので、ポンチュキもおいしいのではないか?と考えたのである。
人気のパン屋なので並んでいるか、と思いきや行列はできていなかった。
2種類あったので聞いてみると、フィリングは同じ(ミックスフルーツジャム)でlukier(シュガーグレーズ)がかかっているかいないかの違いだけとのこと。
「ポンチュキは好きだけど lukierが好きじゃない」というポーランド人は結構いるようなので、ニーズに合わせたということか?
味の方は、悪くないけど期待したほどではない。やはりポンチュキは GórczewskaやChmielnaの店の方がおいしいと思う。
Hala Mirowskaからもほど近いパン屋・Piwońskiの前を通りかかったらポンチュキを売っていたので購入してみた。
ここもパン屋としてはわりと有名な店だが、ポンチュキを売っているのは見たことがない。
正直、ぱっと見た感じあまりおいしそうではなかったのだが、たぶん本日限定と思われるので試しに買ってみた。が、やっぱりイマイチだった。。。
ちなみにここも行列はゼロ。
数軒先にあるポンチュキ専門店(普段はわりとガラガラ)には行列ができていた。
Tłusty czwartekにはいつもはポンチュキを売っていないパン屋なども販売しているが、人々が並ぶのは専門店のようだ。
「今日しか売っていないところで買った方がいいんじゃないの?」と思うのは
”限定品”好きの日本人ならではの感覚なのだろうか?
ポンチュキの材料というのは、店で多少違うかもしれないが、小麦粉、砂糖、卵、バター(マーガリン)、牛乳。そしてトラディショナルなポンチュキはラードで揚げる。
つまり動物性の原料た~っぷりなので、Veganだと食べられない。
しかし、ワルシャワはやたらと Vegan friendlyな街である。
もしや?と思って検索してみると結構な数の店がWegańskie Pączki(ヴィーガン ポンチュキ)を売っている。なかにはグルテンフリーとかラクトースフリーとか、シュガーフリー(!??)のポンチュキもあるようだ。
グルテンや砂糖まで抜いてしまったら、それはもはやポンチュキと言えないのでは?
という気もするが
私の周りにも、糖質制限をしているとか、炭水化物をカットしているとか
意識高い系なのか、なんなのかよくわからないダイエットをしている人も多いのでニーズがあるのだろう。
私自身はヴィーガンでもベジタリアンでもないが、ヴィーガン・ポンチュキとはいかなるものか試しに買ってみた。
しかし、これなんと1個6ズロチもする。
Piwoński の3.5ズロチでもちょっとためらったのに。。。
「このくらいの値段は当たり前」と思えるくらいの稼ぎがないと、ヴィーガンを実践するのは大変そうだ。
クリーム入りもおいしそうと思ったが、ポンチュキに12ズロチも払いたくないので
ローズジャム入りのを1個だけ購入。
味の方はというと…
フツー。
言われなければヴィーガンとはわからない。
卵も牛乳もバターも使わずに普通のポンチュキと同様の味に仕上がっているところに価値があるのかもしれないが、ヴィーガンではない人間には倍の値段を出す意味なし。
イメージ的には普通のポンチュキより軽いのかな、と思っていたが
むしろちょっと油っぽいような?
今まで大量のポンチュキを自作した経験からすると、ポンチュキはたくさん揚げても油の減りが少ない。
つまり油をあまり吸収しない生地なのである。
ヘビーな見た目のわりには軽く食べれちゃうのは、そういうところもあると思う。
もちろん、店によって違うだろうが、このヴィーガン・ポンチュキはちょっと重め。
これだったら1個でいいなぁ。値段も高いし。
フィリングのローズジャムは美味しかったけど。
この店以外のヴィーガン・ポンチュキも試してみようかと思ったが
1個6ズロチという値段にビビリ、断念。
ポンチュキにそんなに出すなら他の物を買いたい。
さてさて、Facebookの友人の投稿から、ワルシャワのベストポンチュキ店を特集している記事を発見。
脂の木曜日以外の日に行ってみようかと思う。