無料のイベントを探し出すのが得意だ。
フリーランスのライターというのはあまり儲かる商売ではないので
金をかけずに楽しむことにかけては年季が入っているのである。
この季節は屋外のヨガが盛んだ。
ワルシャワの夏は意外に暑い。
湿度は低いが、日差しはかなりテリテリである。
いつか日傘を流行らせたい、と本気で思うほど。
ワルシャワは緑の多い街だ。
このサイトで紹介されているようにいたるところに公園がある。
屋外ヨガの場所には事欠かないので
無料をうたったヨガイベントがいたるところで開催される。
無料といってもいくつかパターンがある。
1.市や住区などが資金を出している
2.川沿いのバーなどの店とコラボ
3.いちおう無料ではあるが、レッスン終了後に寄付を募る(強制ではない)
1と2の場合は完全無料。3の場合は強制ではないので払わなくてもOKだが、ちょっと気まずいことも。。。
今年はコロナの影響で、ヨガイベントは開催されないのかと思いきや…
むしろ例年より多いくらい。
真夏の間はヴィスワ川沿いのBeach Barで開催されるヨガを満喫。
これは上記の2にあたるので、寄付を気にしなくてもよい。
夏のヴィスワは多くの人でにぎわうのだが(コロナ禍の今年も結構な人出)、
午前中は意外と人が少ない。
青い空に青い海、と言いたいところだが、実はヴィスワの水はあまりきれいではない。そもそも海じゃないし。。。
とはいえ、すごーく開放感があって気持ちよい。
しかもシェードがあるので、日焼けを心配しなくてもよい。
まさに極楽。うっかりしたビーチリゾートに行くよりよほど楽しめる。
しかもタダ。
ある時は、会場に行くまでの道中でCold pressed Juceのサンプルを配っているのに遭遇。
もちろんゲット。
ドリンクまでタダ。
ワルシャワ市が資金を出す公園ヨガイベントも登場。
8月の半ばからほぼ毎日、市内6か所の公園のいずれかで無料のヨガレッスンが開催されている。
Ogród Krasińskich(クラシンスキ庭園)で開催のイベントに何度か参加。
ここはワルシャワでも、もっとも古くから一般公開されている公園の一つだという。
ステキなのはクラシンスキ宮殿を臨みながらヨガができること。
抜けるような青空の下、緑の芝生(正確には雑草だが)の上で、白亜の宮殿を背景にヨガ。
まさに極楽。
金銭的にはカツカツの生活ではあるが
ある意味、とても贅沢な暮らしをしていると思う。
ただし、手放しでは喜べない部分もある。
どうしてもコロナリスクが気になってしまうのだ。
ヨガはインストラクターが指示を出すものの、大声で会話をするわけではないし
他人との距離もまあまあ保たれている。
屋外なら換気も良好だ。
イベントとしては比較的リスクは低そうではあるが、
それでもリスクはゼロではない。
「適度な運動をして心と体の健康を保ちましょう」
ということなんだろうが、リスクとリターンのバランスはどうなんだろう?と考えてしまう。
そして極楽気分でヨガを堪能すると、いまだ世界はコロナの脅威にさらされていることなど忘れ、すごく無防備な気分になってしまうのであるが、この「ま、いっか」という無防備感が意外とアブナイ気がする。。。
今やワルシャワの街はコロナ前にかなり近い状況になっている。
レストランやショッピングセンターは賑わっているし、コンサートや規模の大きいイベントなども開催され始め、Targi Rzeczy ŁadnychやTargi Jestem Slowなどのお気に入りイベントもスタートした(さすがにこれは行かなかったが)。
感覚的には7~8割は元に戻っているのではないだろうか。
他国の状況を見ると、他人との接触機会が増えると感染者数も増加するのが普通である。
が、しかしポーランドでは規制緩和で一時は感染者数が大幅増加したが、8月末~9月上旬あたりから急減している。
これだけ人が接触する機会が増えているのに、である。
これはシロンスク地方の炭鉱で発生したクラスターがようやく下火になってきたのと、
なんと言ってもPCR検査数が抑えられていることが関係していると思われる。
このチャートを見ると、
8月あたりから、感染者数が急増するとなぜか直後の検査数が減る。
そりゃ、検査数が少なければ感染者数は増えないよねぇ。
検査体制はそこそこ整っているようなのだが、症状のある人しか検査対象にしていないらしい(自腹なら無症状でも検査を受けることはできるようだ)。
検査数が少ないという批判はよく見かけるが
その割には検査数を増やせという抗議は少ないような気がする。
検査を受けて陽性になっても何もいいことはないから
わざわざ検査など受けたくないというのが、多くの人の本音なのかもしれない。
コロナに関してはまだ不明なことだらけだが、
接触機会が増えれば感染者数も増えるというのは、世界の状況から見ればわりとはっきりしていることだろう。
もし本当にポーランドでは規制緩和しても感染者は増えないなら、世界中の研究者はその理由を解明すべきだ。
なにかしらすっごい理由がある可能性もゼロではない。
しかし、PCR検査数を抑えているから表面化する感染者数が少ないだけなら、どこかで無理が出てきそうな気がする。一度コントロールを失うと収拾がつかなくなりそうだ。
結局のところ、どういう風に着地するのか、かなり不安。。。
今のところポーランドはEU圏で、コロナによる経済ダメージが少ない国の一つとされているが、さてどうなることやら。。。