コロナ再燃。ポーランドの現状 2021年冬

Life

ふと気がつけば11月も半ばを過ぎ、2021年もあと一月余だ。
ヨーロッパではコロナの新たな波が来ているが、ポーランドもご多分に漏れずコロナ感染者数急増中。11月17日には1日の新規感染者数が24,239人となり、4月11日以降では最高の数値となった。今のところ、ロックダウンの実施などは予定されていないらしいが…。

ポーランドでは春あたりから急速にワクチン接種が進んだ。近隣諸国は重症化のリスクの高い高齢者から順番に接種を行っていた。ポーランドも当初は「80歳以上」「70代」「60代」というように年代順にワクチン接種を進めていたものの、5月からはそのような制限は取り払い「打ちたい人は誰でもOK」状態になった。早くワクチン接種したい他国在住の20代、30代のポーランド人が「ワクチン帰省」をする例も少なくなかった。

がしかし、打ちたい人が一通り接種を終えると伸び悩み、必要回数のワクチン接種を完了した人の割合は8月1日に46.3%に達していたのに、11月16日時点では約53%である。

ポーランドでは5月半ばに屋外ではマスク着用の義務が無くなり、レストランの屋内での飲食も解禁となった。
ショッピングセンターや公共交通機関などではいまだにマスクを着用しなければならず、それはかなり守られていると思う。アメリカやイギリスではマスク着用へ拒否反応を示す人が多いと聞くが、ポーランド人はマスク着用にあまり抵抗はないようだ。

が、全般的に街の雰囲気はユルユル。

例えばドイツなどではレストランの店内に着席するにはワクチンパスポートか、コロナの陰性証明を示さなければならないらしいが、ポーランドではワクチン接種完了者も未接種者もごちゃまぜ状態である。

2020年は中止になった様々なイベントも初夏あたりから次々と再開された。一部のイベントではワクチンパスポートを(形だけ?)確認していたが、私がよく行くネットワーキングイベントは証明書などの提示は不要、マスクの着用も不要(なのかどうか不明だが、とにかく誰も着けていなかった)で、皆、ドリンク片手に歓談にいそしんでいた。イベント参加者のおそらく半数以上はワクチン未接種者と思われるのだが…。

規制もゆるく感染者数も減少したこの夏は、まるでコロナ前の状態に戻ったかのように街には多くの人が繰り出し、夏の解放感を楽しんでいた。
もっともポーランドは当初からPCR検査をあまり積極的に行っていない。これは、陽性とされた軽症者までもが病院に押し寄せて医療崩壊を起こすのを防ぐため、などとされている。IT人材と同様、医療従事者も給料のよい他のEU諸国に流れやすいので、ポーランドでは医療従事者が不足しているのだ。
現在もそうなのかわからないが、少なくとも発熱などの症状がなければ無料の検査を受けるのは難しいとされていた。ドイツやUK並みに検査を行っていたら感染者数はどうなっていたか…

”コロナ禍などなかったかのような夏”であったが、さすがに秋口あたりから感染者風は増え始め、11月に入って激増中。過去7日間の10万人あたりの平均感染者数はレッドゾーンを超えている。この数値が10を超えるとイエローゾーン、25を超えるとレッドゾーンとして、かつては何らかの規制が施行されていた。

しかし前述したように、今のところ政府はロックダウンなどは予定していないと言っている。
「さすがにこのまま何もしないのはどうよ?」
と思っていたら、「ブースター接種のお知らせ」のSMSが送られてきた。保健省が1500万人以上に送ったらしい。ロックダウンはしなくても、ワクチン接種の有無で規制をかけてくる可能性はあるのではないかと思っている。

個人的には今回の波は要注意な気がしている。ポーランドでのワクチン接種のピークは6月~8月あたりだった。ということは多くの人が抗体が減少する時期に差し掛かっているのである。さらにクリスマスや大晦日などのイベントが目白押し。そしてなんといっても人々の気持ちがすっかり緩んでしまっている。
とりあえずブースター接種が完了するまでは、イベントなどは極力控えようと思っている。

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