最初にロシアのウクライナ侵攻について書いたのはポーランド時間で2月24日の深夜、いや25日の早朝というべきか?
いずれにしても侵攻1日目で、今から思うとそのころはまだ事の深刻さを理解していなかった。
2022年の2月24日はポーランドではTłusty czwartek(脂の木曜日)にあたり、朝っぱらから恒例のpączki作りに励んでおり、そちらの方に気を取られていたというのもある。
夜にはVentureCafeのThursday gatheringに行ったのだが、そこでもあまり緊迫した雰囲気ではなかった。
「一夜明ければ停戦してるかも?」的な期待感がまだあった。
が、そんなのはただの希望的観測に過ぎないとすぐに思い知る。
同じように感じていた人は多かったのか、25日には急激に「Help Ukraine」機運が高まる。
「ウクライナ人を助けないものは人にあらず」というくらいの勢いだった。
東洋経済に書いた記事でも触れたが、同じ”難民支援”でも中東からの難民がベラルーシ国境の森に押し寄せた時はかなりの塩対応だった。
なぜ今回はこんなにアツいのだろうか。
今回の侵攻以前から、ポーランドには100万人以上のウクライナからの移民が居住しており、大半が労働目的。ポーランドはウクライナからの労働力に頼っているのだ。ウクライナから働きに来てくれる人がいないと経済がうまく回らないこともあり、もともとポーランドは「ウクライナWelcome」なのである。
また、ポーランド人は”身内”と”お客さん”にはとっても優しい。
ポーランド人は日本人にはかなり好意的だ。
日本人に対する好感度指数みたいなものがあれば、たぶん世界でもトップクラスだ。
なのではあるが、”お客さん枠”だなとも感じる。
では、ウクライナ人はどうかというと”ギリギリ身内”枠。
親や兄弟姉妹のように近くはないけど、遠い親戚くらいの身内感。
両国ともロシア嫌いという共通点もある。
今回の戦争が始まる前から、PさんもUさんもRさんのことは大っ嫌いなのである。
日本人からすると旧共産圏ということでそれなりに連帯感とかあるのでは?と思っていたらとんでもない。
かなりの嫌われっぷりなのだが、Rさん気がついていなかったのか?
さらに、
これは私自身が感じていることでもあるのだが、
罪滅ぼし的な感情もあるのではないかと思う。
ウクライナの人たちが本当に求めているのは、ロシア軍による攻撃をやめさせること。
具体的には、軍隊を派遣するとか、飛行禁止空域の設定などだ。
難民のための支援ではなく、難民にならないための支援だ。
しかしNATOは直接参戦しないという姿勢を変えていない。
ロシア対NATOということになれば、第三次世界大戦のはじまりだ。
最悪の事態を防ぐために、ちょっと言い方は悪いがウクライナを見殺しにしてるわけである。
それに対する申し訳なさのようなものもあるのではないだろうか。
日本ではポーランドのウクライナに対する支援を”美談”として取り上げているメディアも多いようだ。もちろん、いい話もいっぱいある。
が、そう単純なものでもないのである。