至極のバルシチを作って食す

お一人様の食卓

Wigilia(クリスマスイブ)はポーランド人にとって非常に重要な日だ。
しかしこの日は家族で集まるものなので、ファミリーメンバーに加われない人間にとってはちょっと面倒くさい日になる。
そのあたりは話すと長くなるので別の機会に語るとして、ポーランド文化フリークとしてはWigiliaの伝統料理を作らないではいられない。といっても気合を入れて作るのは3品くらいだが。
伝統的なポーランド料理って、ちゃんと作ろうと思うと時間と手間がかかるのだ。

Wigiliaのディナーに欠かせない料理の一つがBarszcz czerwony z uszkami(バルシチ チェルボヌィ ズ ウシュカミ)。Uszka(ウシュカ)とは耳の形を模したピェロギ。

私がBarszcz czerwonyを初めて作ったのはまだ日本に住んでいた2015年。以降、毎年ではないが作っている。野菜のスープストックからすべて手作りである。
ポーランドではどこのスーパーでも液体や粉末のBarszcz czerwonyの素を買うことができる。手軽だけど手作りとは味が全然違う。
Barszcz czerwonyは酸味のあるスープだが、手作りのものはそれにビーツの甘みが絡まって何とも言えない味わいなのだ。しかも飲むと体がポカポカ暖まる。

味の決め手はやっぱりビーツ。しっかり味が出るようたっぷり使うべきなのだが、将来の貧乏性ゆえかいつもちょっとケチってしまう。昨年は見た目はすっごくおいしそうにできたのだが、ビーツの使用量がビミョーに少なく味がちょっと薄くなってしまった。

今年はその反省を踏まえ、惜しみなくビーツを投入。いや、実はちょっと惜しんだのだが、味見をしたらイマイチ薄かったので「追い鰹」ならぬ「追いビーツ」をしたのだ。勇気をふるって大量のビーツを投入!
ちなみに、インフレにさいなまれるポーランドであるがビーツは1㎏で140円くらい。どんだけ貧乏性なんだ自分。
そして出来上がったBarszcz czerwony。「追いビーツ」した甲斐があり、ようやく納得の味に仕上がる。
そこそこ美味しくできたら友人にでもおすそ分けしようか、いやでももったいないかなー、などと考えていたら結局、自分で完食。おいしゅうございました。

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