昨年に引き続き、DeepTech Summitに行ってみた。
開催の約1か月前にイベントのディレクターと話す機会があったのだが、今年は英語のセッションも増やすし、いろいろと充実させるとのことだった。
実際に行ってみると、、、
思っていた以上に洗練されていた。
このイベントの大元はフランスのHello Tomorrowなのだが、昨年は8割くらいがポーランド語のセッションだった。Hello TomorrowのCEO(フランス人)や海外から招いた登壇者がいたにもかかわらず、である。Hello TomorrowのCEOには通訳がついていたようだが、それにしてもねぇ。。。
イベントの主目的はポーランドの有望なスタートアップをフランスに誘致しようということなのかと感じた。なぜかというと「来年、フランスで開催されるHello Tomorrowのイベントにご招待」というプライズを頻発していたから。メインターゲットがポーランド人ならセッションのほとんどがポーランド語というのもまあ納得できる。
とはいえ、さすがに昨年のポーランド語率の高さは批判も多かったらしく、今回はほとんどのセッションが英語で開催された。また、名称もDeepTech CEE Summitとなっていただけに、今年はCEE諸国からの参加者も多かったようだ。
昨年とはターゲットを変えたのかもしれない。
ポーランド人がメインターゲットならポーランド語の方が呼び込みやすいが、ポーランドに周辺諸国の人たちを呼びこむなら、英語開催はマストだ。
私もネットワーキングの時にリトアニアやスロバキアから来たスタートアップたちとお話しした。外国人率は結構、高かったのではないだろうか。
昨年は1日のみだったが、今年は2日間に渡って開催され、1日目の会場は昨年と同じCIC(厳密に言えばCICの内部ではなく、隣接するイベントスペースなのだが)、2日目はワルシャワ証券取引所(GPW)が会場となっていた。
GPWのメインステージは、なかなか”ピッチ映え”する”会場だ。
”映え”って意外と重要である。
同じ内容を話しても会場の雰囲気で印象は大きく変わってくる。
似たようなビジネスモデルや技術力なら、インパクトを残せるほうが”勝つ”可能性は高い。
もし日本のスタートアップがCEEエリアのイベントに参加したいと考えているなら、DeepTech CEE Summitは候補に挙げてもよさそうだ。
イベント最終日の夜のネットワーキング・ディナーもなかなかレベル高し。料理もおいしかったし、ワインやビールなどが用意されているのはもちろん、カクテルをその場で作ってくれるサービスまであった。
お金かかかってるなーという印象。
もっとも、私はメディアパスを発行してもらえたのだが、これは有料イベントなのでそれなりに高級感を演出する必要はあるだろう。
総括すると、昨年は、ポーランドの優秀なスタートアップをフランスに呼び込むというのが最終的な目的のように感じた。今年はポーランドにCEE諸国の将来有望なスタートアップを集め、彼らをフランスに呼び込む作戦に転じたように感じた。
昨年に比べ大幅にレベルアップし、”西側”のメジャーなイベントに近づいてきたようではあるが、逆に言えば、良くも悪くも”ポーランドっぽさ”というのは薄れることになる。
それがいいことなのか、どうなのか。
理想的なのは、西側と遜色ないレベルのイベントと、粗削りながらポーランドらしさが残るイベントの両方があることだろう。でも後者の方は淘汰されつつあるような気がする。
この秋からワルシャワ証券取引所で開催されるスタートアップ関連イベントが増えた。今までもここで開催されたイベントに行ったことはあるが、量と質が格段にアップした印象。おそらく予算がついたのだろう。
ところで、秋は他の国でもメジャーなスタートアップ系イベントが開催される。
「ポーランドのスタートアップイベントもレベルアップしたなー」と感慨にふけっていたのだが
知人の何人かがフィンランドのSlushに参加し、その様子を動画にしてアップしていた。
うーむ、、、やっぱりこのあたりと比べるとまだまだかもねぇ。
余談ではあるが、日本人はSlush大好きだが、似たような時期に開催されるイベントとしてはポーランドではポルトガルのWeb Summitの人気が高い。