Pączki(ポンチュキ)とは簡単に言ってしまえばジャム入りの丸ドーナツ。「蕾ちゃん」というような意味で、ポーランドでは専門店、パン屋、ケーキ屋などいろいろなところで売っている。Tłusty Czwartek(脂の木曜日)にはポンチュキを大量に食べる習慣がある。
Górczewskaのpączki として知られる店。平日でも行列ができる人気店。売り切れたら店じまい フィリングはローズジャムのみ。 Pracownia Cukiernicza “Zagoździński” – GÓRCZEWSKA 15, 01-186 Warszawa

2015年~2018年、東京でTłusty Czwartek(脂の木曜日)のイベントを開催した。個人開催のイベントで資金源がないこともあり、提供するポンチュキは自作することに。いろいろなレシピを検索し、試行錯誤しながら日本でも作りやすいようなレシピを構築した。
←記念すべき第1回 pączki night(2015年2月12日)

私が作るポンチュキは現地のものより小ぶりで、やや軽めの食感に仕上げている。
本場のレシピでは生イーストを使っているものが多いが、インスタントドライイーストで手軽に作れるようにアレンジしている。
●レシピ
ポンチュキ20~24個くらい
<材料>
小麦粉 500g
インスタントドライイースト 12g
砂糖 50g
卵黄 4個
全卵 1個
牛乳 180~230ccくらい
バター(マーガリンで代用可)50g
塩少々
バニラエッセンス 少々
酒(ウォッカ、ラムなど)小さじ2分の1くらい
フィリング:ローズジャム、ラズベリージャム、チェリージャム、カスタードなど適量
*とりあえず試作するなら、上記の分量×0.4の量が作りやすい。
<準備>
ジャムは電子レンジでチンしたり、鍋で煮詰めて水分を飛ばし、冷蔵庫で冷やしておくと包みやすくなる(前日までにやっておくとよい)
バターは溶かしておく。
牛乳は40~50℃くらいに温めておく。
<作り方>
① 小麦粉にインスタント・ドライイースト、塩を加えて混ぜ合わせておく。
② 卵に砂糖を加えよく混ぜる。
③ ①に②と牛乳、バニラエッセンス、酒を加えヘラなどでこねる。
ある程度こねたらバターを加え、さらにこねる(5分くらい)。
生地が柔らかすぎるようなら、小麦粉(上記の分量外)を少しずつ足して調整、固すぎたら牛乳を入れて調整する。柔らかめの生地でも発酵すると扱いやすくなるので、迷ったら柔らかめに。
④ こねあがった生地を表面が乾かないようにラップや濡れ布巾で覆って暖かいところに放置。
二倍くらいになるまで発酵させる(1時間から1時間30分くらい。温度が低い場合は2時間以上かかることもあり)
⑤ 発酵した生地をガス抜きする。まな板に小麦粉をふってくっつかないようにし、生地を3~5ミリくらいの薄さにのばす。
何回かに分けてのばすことになると思うので、のばす前の生地は乾燥しないようにラップや濡れ布巾をかけて作業するとよい。
⑥ のばした生地を型抜き。今回は100円ショップで買った抜き型(直径65mm)を使用。
型抜きした生地にジャムをのせ、別の生地をかぶせて端をしっかり閉じる。
さらに型で抜き、形を整える。
オリジナルの抹茶ポンチュキ
⑦ クッキングシートか、小麦粉をふった皿、シリコンマットなどに⑥を並べ、表面が乾かないようにラップや濡れ布巾で覆う。暖かいところで30分程度放置する(二次発酵)。
⑧ 程よく発酵したら低めの温度で片面3分ずつくらい揚げる。焦げやすいので注意。
<仕上げ>
アイシングをかける、グラニュー糖をまぶす、粉砂糖をふりかけるなど。
(グラニュー糖をまぶす場合は温かいうちに、アイシングをかける場合は粗熱が取れてから、粉砂糖を茶こしでふりかける場合は完全に冷めてから)
<ポイント>
●フィリングの水分を飛ばす時にレモン汁や砂糖などを加えて味を調整するとよい。
●フィリングの水分が多いと成型しにくかったり、はがれやすい。
●揚げる前に、はがれていたり穴が空いている箇所がないかチェック。
フィリングがもれると油がはねる。仕上がりも悪くなる
●発酵させる時はしっかり2倍くらいまで膨らむまで待つ。
発酵が甘いと生地が軽く仕上がらず、揚げた時に真ん中の線ができない。
<冷凍保存の仕方>
揚げたポンチュキが完全に冷めたらジップロックに入れて冷凍庫で保存。
解凍は室温で放置、前日から冷蔵庫に移して解凍、電子レンジで温めるなど。
温めた後にさらにオーブンで軽く焼いたり、カロリーはアップしそうだが、揚げなおすという方法もある。
*追記
夏は室温が高く、過発酵になりやすいので注意。
イーストの量を減らしたり、冷蔵庫に入れるなどして調整を。